初期版 / さまざまな神さま

勘違い

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「もう一度言ってあげる! さっきから貴方、彼のこと名前で呼んでたわよねぇ? たしか出会ってまだ二日だったかしらぁ? 彼のどこが気に入ってるのぉ?」

 

この話題になってから、ナギはバグった。

初期不良のパソコンが、電源を入れた瞬間に変な挙動をしてショートする。それの人間版みたいな感じのリアクションをしてた。

 

それで引き続きショート中。

さらにトカが恋バナしてる女子みたいにナギを揶揄うせいで一向に治る気配がない。

 

それを見て俺は、なんか、気が抜けた。

 

威圧感もすでになく、逆に空気が綺麗で居心地は悪くない。視界の一部を無視すればだが。

 

ただ、さすがにナギが不憫に思えてきた。あと気になっていた話もいろいろあったから、俺は勇気を出してトカに話しかけた。

 

「あの、ナギが名前で呼ぶってそんなに珍しいんですか?」

 

「うふふ、もう私のこと怖くないのぉ?」

 

待ってたかのようにトカの視線が俺に向いた。気がする。だって見えないし。

 

「まだ怖いですけど、、」

 

「やだぁ〜まだ警戒してるのかしらぁ?」

 

「それは、、まぁ、、、」

 

「もう《《懲りた》》わよぉ? あなたに何かしたらこの時間が終わっちゃうもの!」

 

その理由、いやだなぁ、、

 

「冗談よぉ〜ふふふ」

 

当たり前に思考に返事をされた。

わかってた。ダダ漏れなんだよね。

じゃあやっぱり最初から、、、

 

「ちゃんと聞こえたわよぉ? 私のこと呼び捨てにして不倫相手とか女子みたいとか例えてたのもねぇ〜面白かったわぁ!」

 

トカの笑い声と視線の感覚では一応、機嫌は良さそうな気はする。でも顔が見えないから本当に笑ってるのかよくわからない。

 

冷や汗が、服と背中の隙間を滴っている。

 

やばい、、、

 

「ねぇ、千葉チバくぅん」

 

「はい」

 

「トカって呼んでいいわよぉ」

 

「はい?」

 

「ナギがあそこまで気に入ってるんだものぉ。特別に認めてあげるわぁ」

 

「はぁ、、」

 

よくわからないが、ナギのおかげで認められたらしい?

 

「あとほんとに気にしてないわよぉ? 私にあんなことまで考える人間なんて久しいもの! たまにはこういうのもいいわねぇ」

 

神さまの感性ってほんとわかんない!!

 

でも許してくれてマジで助かった、、、

よかったぁーーーー!!

 

大きく安堵の息を大きくついた。

 

ただそれでも口に出して呼び捨てはなぁ、、、

 

正直言ってこえーよー恐れ多いよー。

 

「私にとって、どっちも変わらないわぁ。それに今更、光色コウジキさまなんて呼ばれても違和感しかないもの」

 

あっ、光色教コウジキキョウだから光色コウジキさまか!

 

「うふふ、それこそ今更ねぇ」

 

「ナギに説明されなかったので、、、」

 

「相変わらずだわぁ」

 

「その、、ナギとは付き合い長いんですか?」

 

「そうねぇ〜私が《《神さまになる》》前だからん〜説明し辛いんだけど相当古いわよぉ?」

 

「はぁ、、?」

 

年数を聞こうと思ったが、ナギの核心に触れそうだったのでやめた。

 

「やっぱり勘がいいわねぇ。それに、もうわかってるでしょう?」

 

「いいえ、ナギが言ってたんで」

 

「うふふ、相思相愛ねぇ〜」

 

やめてくれ、、

 

たとえあっちにその気があっても、ナギと恋愛だとかは正直想像できない、、

 

「うふふふっ!あはははぁ!」

 

急にトカの大きく笑い、声が部屋中に響いた。

 

こうしていると近所のお姉さんみたいに思えてきた。まぁ本性を知ってる手間、こんな存在が近所にいるのはご遠慮したいが。

 

「ふふっやっぱ面白いわねぇ! そもそも、なんでこんなことになってるかわかるかしら?」

 

ナギの方に目を向ける。

未だに固まったままだ。

顔を見ると赤くなってるような、、

 

恥ずかしさで悶えている!?

 

マジか!?

 

呆然としている俺を見て、またトカが大声で笑いだした。

 

頑張って状況を整理してると、一通り笑い終えたトカがまた聞いてきた。

 

「わかったかしらぁ?」

 

「うっ、、無意識で俺を名前で呼んでたことに気づいたから、、ですかね?それでついでに自分の感情も自覚したとか、、」

 

口にすると急に実感した。

 

ナギが俺を好き!?

 

まさか!? そんなことあんのか !?

 

共感性羞恥みたいのが込み上げてきた。

 

「あははぁ! 違うわぁもぅ! 40点くらいかしら? 人間ってほんと面白いこと考えるのねぇ」

 

どういうこと!?

 

「あのソラナギに恋愛感情なんてあるわけないじゃなぁい! ふふっ強いて言えば友愛かしらぁ? でもそれすら珍しいのよぉ〜?」

 

勘違いした。今度はちゃんと恥ずかしい。

しかも思い上がりすぎた。死にたい。

 

「あら!それじゃぁいっぺん、死んでみるのはどうかしら?」

 

その聞き覚えあるセリフを、実際に可能な存在に言われることになるとは思ってなかった。

 

っていうか地獄に堕とされそうになってたとか言ってたよな!?

 

「あぁ、あれはねぇ貴方が地獄に惹かれるように欲望を引き出して、絵を描いたあとそのまま堕ちたら楽しいかなって!」

 

この人の《《悪戯》》はシャレにならないな、、

 

あ、それで廊下で俺がやる気になってるところをナギが茶々を入れてきたのか。

 

影で助けてくれてたんだな。

 

それにしても欲望を引き出すとか、あとは魅了だっけ? やっぱ怖いな、、、

 

「もうやらないから安心してちょうだぁい」

 

「はい、、、」

 

一体どこまで本気なんだろう。

とりあえずナギが守ってくれる、はず。

 

「ふふ、なんとなくわかってきたわぁ」

 

ん?

 

「貴方たちの関係も面白いわねぇ」

 

そう、なのか、、?

 

「いいと思うわよぉ?」

 

よくわかんない、、、

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初期版勘違い

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